2020年10月12日月曜日

【RAAL Reruisite SR1a】51万円!リボン振動板搭載の完全開放型ヘッドホン

RAAL Requisiteは開放型ヘッドホン「SR1a RAR-HP-SR1A」を2020年10月9日から発売しました。  30Hzから30kHzの帯域幅を再現する自社開発のリボン振動板を搭載した完全開放型ヘッドホンです。


リボン振動板とは、スピーカーの高域を担当するツィーターに採用されることが多い駆動方式です。

完全開放型とは、背面だけではなくイヤーパッドがなく耳の周りも覆われていないヘッドホンです。

SR1aは通常のヘッドホンと異なるスピーカーに近い動作原理の振動板を使ったヘッドホンのため、スピーカー用のアンプが必要です。

重量は425gです。500mlペットボトルより少し軽いくらいです。
私が普段使っているaudio-technica ATH-R70xが210gなので、2倍の重さです。
最近のヘッドホンは本当に重いですね。
私は300g以上のヘッドホンをつけていると、首や肩が痛くなるので無理です。
メーカーの開発者の皆さんは強い首をお持ちなのでしょうか?
最近のヘッドホンは音質を追求しすぎていて、装着感を軽視していませんか?

SR1aはセルビアで生産されています。
なぜならSR1aは、アメリカのプロフェッショナル用音響機器メーカーであるrequisite AUDIO ENGINEERINGとセルビアの高級リボン振動板メーカーとして定評のあるRAALとのコラボプロジェクトだからです。
あまりヘッドホンの製造国としては馴染みがない国ですね。

まとめ

51万円と非常に高価ですが、他には例のない完全開放型リボン振動板搭載のヘッドホンです。
「スピーカー用のツィーターにハウジングを付けてヘッドホンにしてみた」だけに見えますが、どうなんでしょうか?駆動するのにもスピーカー用のアンプを使用します。
しっかりとしたスピーカー用のオーディオシステムを持っている方は、導入しやすいかもしれません。ヘッドホンアンプは使えないので、ヘッドホン中心のオーディオシステムの方は厳しそうです。




カーボンやステンレス、レザーを使用しているので、高級感はあると思います。
ゲーミングヘッドホンみたいな見た目は、好みが分かれそうです。

唯一無二のヘッドホンだと思うので、気になる方はチェックしてみましょう。


2020年10月8日木曜日

GRADOヘッドホンの魅力

GRADOは最高の音質のヘッドホンというわけではないと思います。
しかし、他のメーカーにはない魅力があります。
とてもシンプルなつくりで軽量で装着感が良いです。そして、何より音楽を楽しく聞けます。
発売しているヘッドホンのラインナップには上下関係はなく、どのヘッドホンも他のヘッドホンとは違う魅力があります。
GRADOのヘッドホンは、高いモデルほど音が良いわけではありません。それぞれに全く違う音質なので、ついつい購入してしまいます。



GRADOってどんなメーカー?

GRADOはグラドと読みます。
GRADOは1953年にニューヨーク州ブルックリンで、ジョゼフ・グラド氏によって創業されたメーカーです。
創業当時は、アナログレコードの針を製造していました。現在でもアナログレコードの針を製造しています。
1990年にジョセフ・グラド氏の甥のジョン・グラド氏の考案により、同社初のヘッドホンHP1が発売されました。HP1のデザインを見てみると、現在のGRADOのヘッドホンのデザインとほとんど変わりません。

GRADOのヘッドホンは、一部の低価格モデルとイヤホンを除いて、すべてニューヨーク州ブルックリンで製造されています。
製造工場の様子はYou Tubeで見ることができます。工場というよりも、町工場やガレージメーカーっぽい感じです。

ニューヨーク・ブルックリンの工場で、すべてハンドメイドで作られています。
ホットボンドで豪快にハウジングとドライバーを接着しています。そのホットボンドが、はみ出たりするのは当たり前です。
そんな感じの雑な作りで、ヘッドホンの構造もシンプルなため、民芸品や日曜大工などと揶揄されています。ネット上の評判なので、半分くらいは嘘だろうと思っていましたが、実際に買ってみると、本当に雑な作りです。
これで数万円するのは信じられませんが、音が良いので仕方ありません。他のメーカーが音響工学に基づいて精密に製造しているのに、こんな適当かつシンプルな作りで音質が良いのが不思議です。
どのモデルもほとんど同じ形をしているのに、音質はモデルごとにまったく違うのが驚きです。

ラインナップ

GRADOのヘッドホンのラインナップとしては大きく3つに分けることができます。

オンイヤータイプ

SR125e 、SR80e、SR60e、GH3などがこちらのタイプになりなす。
付属のイヤーパッドSはGRADOのイヤーパッドの中で最も装着感が良いです。
ケーブルも4芯構造で細く、扱いやすいです。
価格はGRADOの中で最も安価です。

セミアラウンドイヤータイプ

GRADOヘッドホンの中で最も人気のあるタイプです。
PrestigeシリーズのSR325e、SR225eとReferenceシリーズが該当します。限定モデルも一番多く発売されているのがこのタイプです。
ケーブルは8芯構造でかなり太く、やや扱いにくいです。

アラウンドイヤータイプ

StatementシリーズとPS500eを除くProfessionalシリーズが主に該当します。
大型のLパッドというイヤーパッドが装着されています。
イヤーパッドGは、非常に高く1万円以上します。レザー製ならこの価格でも納得できますが、ただのスポンジです。
ただのスポンジにしてはあまりに高いので、「何か特別な技術が使われていて、コレをつければGSシリーズの音質になるのでは?」と購入する人が多かったようです。
ケーブルは8芯構造でかなり太く、やや扱いにくいです。
重量が300g以上あるので、装着感が悪そうなので私は購入したことがありません。しかし、GRADOの最も価格が高いシリーズなので、とても気になる存在です。

GRADOヘッドホンの特徴

音質

モデルごとに音質はまったく異なりますが、共通点だけ紹介します。
クリアかつスピード感がありヌケの良い音が特徴です。
特に高音域の鮮やかさに定評があります。
低音域は少なめですが、そのおかげで高音域が引き立ちます。

モニターヘッドホンのように、細かく楽器ごとにチェックするような使い方ではなく、リスニング用のとにかく音楽を楽しもうというヘッドホンです。周波数特性を気にしたり、音楽制作をする方にはおすすめできません。

音量が取りやすいので、スマホやタブレット、ノートPCなど、どんな機器でも気兼ねなく使うことができます。ヘッドホンアンプがあったほうがより良い音で聞けますが、なくてもとても良い音を出してくれます。

一度ハマると他のヘッドホンでは満足できなくなる独特の中毒性があります。私も完全にハマってしまって、限定モデルが出るとつい買ってしまいます。

質感

上位モデルは木材とレザーの素材としての高級感はあります。
ただし、作りは非常に悪いのでヘッドホン全体としての高級感みたいなものはありません。
ネット上では民芸品とか工芸品とか言われていて、どうせネタだろと思って購入すると実際にそう言われる理由が分かります。
ハウジングとドライバーを固定するホットボンドは盛大にはみ出していて、アメリカンな思考で「接着されてればいいだろ」って感じです。
使用されてるプラスチックも、とにかく安っぽいです。バリがあるのは当然で表現するのが難しいですが安物感がすごいです。
ドライバーを保護するメッシュも丸くカットできていません。きっと手作りでひとつひとつ切り抜いている証拠でしょう。ハンドメイドインブルックリン最高ですね!
レザーのヘッドバンドの縫製が真っ直ぐなのには驚きました。素晴らしいです。絶対曲がっていると思ってましたから。

私は、「ヘッドホンとして必要な機能以外を削ぎ落としたシンプルな部品で構成されたミニマルなデザイン」と思い込むことで自分を納得させています。
こんな雑な作りのヘッドホンは、音が良くなかったら絶対に買いません。

装着感

シンプルな作りのおかげで非常に軽量のため装着感は良いです。
ただし、ゴワゴワのイヤーパッドの好みは分かれます。私はあまり気になりませんでしたが、ザラザラと安っぽいスポンジを耳に押し付けている感じです。
ほとんどのヘッドホンが、200g以下です。最近のGRADOと同価格帯のヘッドホンが300g以上の重量があるので、いかに軽いのか分かると思います。
私がGRADOを好きな理由の1番はこの軽さかもしれません。ここまで軽いのでつけている感じがほとんどないのが素晴らしいです。極太ケーブルの存在感は、かなりありますが。

重量のあるアラウンドイヤータイプのGSシリーズは所持していないので、装着感はわかりませんが、軽量モデルの装着感は良いです。

GRADOは装着感が悪いと言われることが多いですが、ちゃんと調整すれば割と良好な装着感を得られます。

まずは、ヘッドバンドを手で曲げます。高そうに見えませんが、高価なヘッドホンなので躊躇しますが、しっかりと手で曲げます。自分の頭の形と好みの側圧になるように曲げていきましょう。信じられないかもしれませんが、これは公式の調整方法です。GRADOらしいですね。
ヘッドバンドは特殊な鉄板をレザーで覆ったもので作られています。そのため比較的自由な形に折り曲げることができるので、自由な側圧と様々な頭の形に対応できます。装着感悪いと感じている人は思い切ってヘッドバンドを曲げましょう。
ペンチなどの工具を使ったりして極端に曲げたりしない限り元に戻るので、試してみてください。

次に評判の悪いのがイヤーパッドです。オンイヤータイプのイヤーパッドは問題ないです。
しかし、GRADOのヘッドホンで人気のあるセミアラウンドイヤータイプのヘッドホンに付属するドーナツ状のイヤーパッドは、ゴワゴワする、ヤスリみたいで耳が削られるなど評判が悪いです。
このイヤーパッドですが、中性洗剤で洗うとゴワゴワ感が結構マシになります。

多少音質が変わってしまいますが、中国のサードパーティから発売されているイヤーパッドに交換すると多少改善されます。
それでも気になるようなら、mimimamoのヘッドホンカバーを装着するとかなり良くなります。ただし、音質が結構変わりますので注意が必要です。

まとめ

まったく完璧なヘッドホンではありません。しかし、他にはない魅力があります。
創業の地でハンドメイドで、ほとんどすべてのヘッドホンを制作している非常に貴重なメーカーです。多くのメーカーがフラッグシップモデルのみを自社工場で生産している中で、これは非常に珍しいことです。
ただ自社工場で作っているからと言って、作りが良いわけではないので気をつけましょう。中国製のヘッドホンのほうが仕上げはキレイです。
テキトーな作りですが、音質はその見た目からは想像できない高音質です。
作りの悪さと価格の高さから購入をためらう人も多いと思います。
作りの悪さも気にならないほどの魅力的なサウンドなので、ぜひGRADOのヘッドホンを手にとってみてください。

2020年10月3日土曜日

【ゼンハイザーHD25】耐久性抜群 不朽の名作ヘッドホン

ちゃんと音が出るヘッドホン




みなさんはヘッドホンを選ぶとき何を重視しますか?
音質を重視する方が多いでしょう。もちろん、音がいいというのは一番大事な要素ですが、音が出るというのは、それ以上に大事です。当たり前ですが音が出なければ、音質を語る以前の問題です。

イヤホンをスマホに巻きつけてカバンの中に入れていて、音楽を聞こうとしたときに「あれ、音が出ないな」という経験は誰にもあるのではないでしょうか。

使おうと思ったときに、ちゃんと音が出るというのは大切です。

ラフに扱っても壊れにくいヘッドホンを探しているなら、ゼンハイザーHD25はとても良いヘッドホンです。私は5年ほどHD25を使っていますが、未だに故障して音が出なかったことはありません。

優れた設計思想

ちゃんと音が出るために、耐久性を重視した設計がされています。
また、どこかの部品が壊れて音がでないときでも、簡単に交換できる様になっています。故障したら、メーカーに修理に出さなくてもパーツだけ取り寄せて、簡単に自分で交換できます。
採用されている部品すべてが、意味のある構成になっています。


鉄製のケーブル

ほとんどのヘッドホンのケーブルは銅製です。銅は抵抗が少なく安価ですのでケーブルの。
一部には、より抵抗の少ない銅に銀メッキを施したものや、さらに抵抗の少ない純銀製のケーブルがあります。

しかし、ゼンハイザーHD25は、あえて鉄製のケーブルを採用しています。鉄は銅より抵抗が大きくなりますが、硬いです。
これはハードな使用状況でも断線しないための設計です。
スマホに巻きつけたり、イスのキャスターで踏んだりしても断線しにくいです。


薄型のイヤーパッド

あまり装着感が良くないの薄いイヤーパッドですが、しっかりと計算された設計です。コンパクトなドライバーで、しっかりとした低音を確保できるようにするためです。ドライバーと耳の距離が近いため、低音が逃げにくくなります。


プラスチック製のハウジング

見た目はチープですが、つや消しのプラスチック製であるため、すりキズが目立ちにくいです。また、金属や木材と比べて非常に軽量で、凹みキズが付きにくいです。
ハウジングを叩いてみるとコツコツと音がして、金属のような固有の共振音がない事がわかります。



装着感

はっきり言って、あまり良くないです。遮音性を高めるために、側圧がかなり強いです。
しかし、そこまで長時間使用するヘッドホンではないので問題ないと思います。メインのヘッドホンとして1時間以上使うのであれば、それなりの覚悟が必要でしょう。
手で広げたり、ティッシュ箱に挟んでおいたりすると側圧を弱く調整できます。どちらの方法も試してみましたが、多少側圧は弱くなりますが、1週間もしないうちに元に戻ります。




ダメな点

ケーブルの位置がおかしい

一般的な多くのヘッドホンは、ケーブルが片出しの場合は左側からケーブルが出ています。しかし、ゼンハイザーHD25は ケーブルが片出しで右側から出ています。DJ用としての設計らしく、多くのミキサーの出力が右側にあるからのようです。設計思想通りの使い方をするならいいですが、私はDJではないので一般的なヘッドホンと逆なので不便です。無意識に装着すると逆に装着してしまうことがあります。着けるときは「コレはHD25なんだ」と意識する必要があります。
適当にYou Tubeを見るときに、左右が逆でも別に問題ないことが多いので、私はあまり意識していません。
ヘッドホンはHD25しか使わないのであれば、ケーブルの右出しが普通の状態になるので違和感はないと思います。他のヘッドホンと併用する場合は気をつけましょう。

ケーブルの交換が面倒

製造時期によって違いますが、最近製造されたモデルはケーブルを外すのにT6のトルクスレンチが必要です。トルクスレンチを常備している人は多くないと思うので、以前のモデルのようにプラスかマイナスのドライバーではずせるようにして欲しいです。トルクスのほうがプラスねじよりナメにくいので設計面では優れています。
ただ、断線しにくいのであんまりケーブル交換をする機会は多くないと思います。


まとめ

ロングセラーのヘッドホンなので様々なカスタムパーツが発売されています。パーツを付け替えて音の変化を楽しむのもいいですが、そのまま使うのが一番コスパが高いです。

サードパーティのパーツは、結構高くケーブルとイヤーパッドを購入するだけで、ゼンハイザーHD25の本体価格と同じくらいになります。
どちらのカスタムパーツも元のHD25をより良くするというよりも、別の方向性の音にしてしまいます。かなり音が変化するので、それはそれでアリですが、元のHD25の音が気に入っている人にはオススメできません。

とても優れた設計なので、本当に壊れにくいです。購入してから5年位経ちますが、結構ラフに扱ってきましたが、故障はありません。

スマホやタブレットでちょっと動画を見たり、ゲームをするときに、そのへんにテキトーに投げて捨ててあるHD25を拾い上げて使うくらいのスタンスが、ピッタリなヘッドホンです。ラフに使っても、ちゃんと音が出る信頼性の高いヘッドホンです。

2020年10月1日木曜日

うまく誤魔化してくれるヘッドホン【GRADO The Hemp Headphone】

 GRADO限定モデルの魅力


GRADOは最近、年に1回以上限定モデルを発売しています。
限定モデルといっても、ぱっと見た感じ通常モデルと同じようにしか見えません。ただのカラバリじゃんと思う人が多いでしょう。
しかし、GRADOヘッドホンは限定モデルに限りませんが、見た目はほとんど同じでも全く違う音質です。
そのため、新しいモデルが出ると「今回はどんな音に仕上げてきたのかな?」と気になって買ってしまいそうになります。
さらに限定モデルだと、買い逃すと入手するのが難しくなるので買わなくちゃという気持ちになります。
ただ、GRADO限定ヘッドホンは、だいたい5万円以上するので、気安く買えません。
しかし、今回のHEMP Headphoneは、GRADOの新たな挑戦を感じられたので、結局買ってしまいました。


まったく新しいGRADO

GRADO The Hemp Headphoneは、まったく新しいGRADOヘッドホンです。
「いやいや、いつものGRADOと変わってないじゃん」と思う方がほとんどでしょう。
しかし、細かく見ると今までと全く同じなのは、ヘッドバンドとケーブルとドライバーだけです。
こうやって書いてみると、あんまり変わらない気がしてきましたが、別物です。

イヤーパッドF

一番わかりやすい変化はイヤーパッドです。
新しく“Fパッド”と名付けられたイヤーパッドが装着されています。
これは今までのLパッドと同じ材質で、Sパッドくらいの厚みにして中心をドーナッツ状にくり抜いた感じです。そして、どういった効果があるか不明ですが、放射状に8本切り込みが入っています。
残念ながら、装着感は改善されていません。Lパッドと同じ材質なので、ゴワゴワすると感じるでしょう。さらに薄くなっているので、Lパッドより装着感が悪いと感じるかもしれません。
ゴワゴワ感は、中性洗剤で洗うとかなり緩和されます。気になる人は一度洗ってみるといいでしょう。



テーパー形状ハウジング

今までのGRADOヘッドホンは、単純な筒に近い構造でした。
構造のイメージとしてはスーパーマリオに出てくる土管と同じ形状です。
しかし、今回のHEMP Headphoneは複雑なテーパー形状です。テーパー形状とは、外側に行くに従って広くなる富士山のような形状です。音質にどんな影響を与えているか、わかりませんが新しい要素です。

HEMP(大麻)繊維の高密度圧縮ハウジング

今までのGRADOは木材を削り出してハウジングを作っていました。
一部はプラスチック製だったり、木材やプラスチックの上にアルミ合金で覆ったものもあります。
しかし、今回は新しい製法のハウジングです。
繊維を高密度に圧縮してハウジングを形成しています。そのため、従来のGRADOよりもやや複雑なハウジングの形状になっています。
繊維を圧縮して作られているので、木目以上に世界に一つしかない模様のヘッドホンを手に入れられます。



ハイブリットハウジング

大型のGS2000eでは、マホガニーとメイプルのハイブリット構造になっています。
中型のGRADOヘッドホンには、初めての採用だと思います。
Hemp Headphoneでは、Hemp繊維の圧縮材とメイプル材を組み合わせたハイブリット構造になっています。HEMP繊維の圧縮材が9割とメープル材が1割を組み合わせた構造になっています。



音質

高音の音質

GRADOにしては珍しく高音域のギラギラ感がありません。刺さるような高音域が控えめになっています。それでも高音寄りのバランスになっています。刺さらず聞きやすいですが、GRADOらしい高音域の鮮やかさは失われていません。
今までの癖の強すぎた高音域よりも、かなり上手く調整されています。そのため、今までのGRADOの高音域が好きだと言う人には、普通のヘッドホンに近くなってしまったように感じると思います。

中音域の音質

このヘッドホンの最大の魅力は、中音域です。
バランスはやや高音よりですが、中音域が一番はっきりしています。高音域と中音域の繋がりがとてもスムーズです。
ヴォーカルは、クリアでとても近いです。控えめな低音域と刺さらない高域と合わさって、とても聞きやすいです。目の前で歌っているかのような感覚を得られます。

低音の音質

低音域は控えめですが、タイトでボワつきがなく、キレがありスピード感があります。このあたりは従来のGRADOらしさがあります。
GRADOのヘッドホンにしては、低音が多いです。密閉型のヘッドホンやイヤホンになれている人には物足りなく感じるかもしれません。しかし、この低音のバランスのおかげで中音域のクリアさが保たれていると思います。

曖昧さがある

GRADO The Hemp Headphoneの最大の特徴は曖昧さです。曖昧というと解像度が低いとかあまりイメージが良くないように聞こえますが、どんな音源でもいい感じに誤魔化してくれます。
高級ヘッドホンを買う理由は色々ありますが、録音があまり良くないアニソンをいい音で聞きたい場合に解像度が高いとかモニター向きと言われるヘッドホンを買うと失敗します。
そういったヘッドホンは良い録音はより良くダメなところはよりダメに表現してくれます。
なので、せっかく買ったのになんか満足できないけど、高いからきっといいはずと思って仕方なく使い続ける人が多いと思います。非常にもったいないです。大体の高級ヘッドホンのレビューはクラシックやジャズなど録音がしっかりしたものでレビューされています。最近では、アニソンなどでレビューしている場合もありますが参考になるかは微妙です。

録音されたものを細かくしっかりと聞きたいという人には向きません。しかし、そういった目的でヘッドホンを購入する人は少ないと思います。
好きな曲をもっといい音で聴きたいという理由の人が一番多いと思います。好きな曲の録音が良ければ、どんなヘッドホンでも結構いい音だなと感じると思います。しかし、録音が微妙なのは、ヘッドホンを高くしても基本的に良くならず、かえって粗が目立つようになります。
GRADO The Hemp Headphoneは、残念な録音もいい感じにしてくれます。これは人によってはなにかイコライザーやエフェクターをかけような感じがして気に入らないこともあるかもしれません。しかし、録音を忠実に再現してくれるヘッドホンはたくさんあります。
そういったなかで、GRADO The Hemp Headphoneは適度な曖昧さのおかげで誤魔化してくれるため好きな曲を楽しく聴かせてくれる数少ない選択肢だと思います。





まとめ

GRADOの中型ヘッドホンとしては、49,500円と少し安くなっています。
GRADOの高域が苦手だという方には試してほしいです。最も癖のないGRADOヘッドホンだと思います。
ヴォーカルをクリアに聴きたいと思うなら、最高のヘッドホンです。とにかくヴォーカルが入っている曲ならだいたいいい感じにしてくれると思います。
GRADOの限定ヘッドホンの中では、安く限定数も多いようなので入手しやすいと思います。
新しいイヤーパッドFの装着感があまり良くなかったのが残念ですが、完成度が高いヘッドホンです。
一応限定なので、気になる方は早めに購入しましょう。

キーボードの選び方

PCの入力デバイスとしてキーボードは欠かせないものです。音声入力の精度が高くなっているので音声入力をメインに使っている人もいるようですが、いまだにキーボードが主流だと思います。1,000円以下で買えるものから3万円以上するものまでありますが、どれも文字を入力するという機能は同じで...