2019年4月18日木曜日

ULTRASONE Performance860

ULTRASONE Performance860

憧れのULTRASONE

ULTRASONEを初めて知ったのはEdition 7でした。ゼンハイザーHD650やAKG K701が5万円程度でハイエンドだった当時としては、45万円と信じられないくらい値段が高かったです。(現在の基準でも十分高いですが...)

Editionシリーズは、現在でも定期的に発売されています。ハイエンドヘッドホン市場がインフレしているので、あまり値段が高いというイメージが無くなってきているのが、恐ろしいところです。

初めて購入したULTRASONEのヘッドホンはDJ1PROでした。たしか15,000円くらいで購入したと思います。チープな見た目でしたが、独特な音質でハマる曲には非常にハマり、合わない曲にはまったくダメというピーキーなヘッドホンでした。
とにかく低音域と高音域が強く、ヴォーカルが引っ込んで聞こえました。S-Logicによって独自の音場も組み合わされて、音場は広いけれど、そのせいでヴォーカルがさらに聞こえにくいという感じでした。印象としては、ゼンハイザーのHD25の個性を更に強くしてULTRASONE独自の音場を付け加えたヘッドホンという感じでした。

このDJ1PROの影響でULTRASONE=個性的でどこかイロモノな感じと、Editionシリーズのプレミアム感もあって、なかなか近寄りがたいブランドでした。
しかし、PerformanceシリーズはEditionシリーズの技術を使い5万円前後で発売されたので購入してみました。


S-Logic

ULTRASONEの特徴的な技術です。ドライバーとイヤーパッドの間に耐磁性の高いミューメタルを穴を開けた独自の形状に加工することで、自然な音場を作ろうとするULTRASONEの技術です。普通に考えると、ドライバーと耳の間で余計な反響が増えて音が悪くなりそうですが、うまくチューニングされています。ヘッドホンの欠点である脳内定位を完璧ではないですが改善しています。
副次的な効果としてUltra Low Emissionテクノロジーという電磁波低減が搭載されています。ミューメタルを使うことで電磁波を98%低減しているらしいです。効果を体感することはないですが、多分ないよりは健康に良いのでしょう。

EDITIONシリーズと同じドライバー

ULTRASONE Performance860はEdition12と同じ40mm ゴールドプレイテッド・マイラーを採用しています。ゴールドプレイテッド・マイラーとは、簡単に言うと、金メッキの施されたプラスチックの振動板です。柔らかく比重が重い金は素材としてドライバーに不適切な気がしますが、実際に聞いてみると関係ないようで、とても良いです。ただしエージングが必須になります。使い始めはとても音が悪かったです。

音質

購入してすぐに聴いたときは、正直に言うと失敗したなと思いました。柔らかい印象の低音域が中音域をマスクしていて、パッとしない音色でした。ヴォーカルがS-Logicの影響もあって遠く、こもった音でした。DJ1のイメージからS-Logicはヴォーカルが遠くなるのかなと思いました。
しかし、エージングでかなり良くなりました。大体20時間くらいで、低音域に締まりが出てきて、中音域としっかりと分離してきました。エージングでここまで音質が良くなったヘッドホンは、初めてかもしれません。
ある程度鳴らし込んでみると、最初とはまったく違うヘッドホンになりました。開放型ヘッドホンとは違う量感のある低域で、S-Logicの効果もあって密閉型ヘッドホンとは思えない音場の広さがあります。この価格帯では当たり前かもしれないですが、全体的にフラットでULTRASONEらしくない落ち着いた音色です。DJ1PROを作っていたメーカーとは思えません。あの特徴的な音質を求めて購入したら、まったく別物で驚くと思います。どんな楽曲でも合う万能性があります。

装着感

側圧がとても強いです。ゼンハイザーHD25も側圧が強いとよく言われていますが、それ以上に強いです。ゼンハイザーHD25はオンイヤータイプなので、単純には比較できませんが、ULTRASONE Performance860は耳の周りが強烈に圧迫されます。1時間使用するのが限界でした。
そのため、HD25の側圧を弱めるための方法で、よく使われるティッシュ箱に2日間ほど挟んで置くと少し弱くなりました。その後、普通に使っているとやや強めの適切な側圧になりました。1時間以上使用していても大丈夫ですがまだ少し側圧が強く感じます。

おわりに

憧れで買ったULTRASONE Performance860でしたが、第一印象は最悪でした。強すぎる側圧と、こもったような音質ですぐに売り払おうかと思いました。しかし、使っているうちに側圧も適度に弱まり、まだ少し側圧が強く感じますが、まともな装着感になりました。
S-Logicのおかげで、音場も広くどんなジャンルの楽曲でも対応できます。
しかし、人気がなかったのかULTRASONEはPerformanceシリーズは生産終了にしたようです。まだ、流通在庫はあるようなので、気になる人はぜひ購入してみてください。


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