ハイエンドイヤホンの先駆け
Ultimate Ears Triple.fi 10Proが発売された時代
2019年現在、5万円以上のイヤホンは無数にあります。10万円を超えるものも珍しくなくなりました。本来アーティスト向けであったカスタムIEMも、一般ユーザーであっても、非常に簡単に作ることができるようになりました。街中でも1万円以上するイヤホンをしている人は無数に見かけます。
しかし、10年以上前にはそのような選択肢はありませんでした。イヤホンに1万円以上も出すのは一部のマニアだけでした。
そんな中で存在感を示していたのが、Ultimate Ears Triple.fi 10Proです。
発売当初は約5万円ほどもしました。今では、それほど高く感じないのが怖いですが、当時とすれば考えられないほど高かったです。
後にUltimate EarsがLogitech(日本ではLogicool)に買収されたあと、生産終了間際には1.5万円くらいで購入することができるようになりました。
その頃にはSHUREのSEシリーズも発売されて、ハイエンドイヤホンが一般的になる時代の幕開けとなりました。
ハイエンドイヤホン=マルチBAという図式
今では、高級なダイナミックドライバーを搭載したイヤホンが多くあります。しかし、2008年12月にゼンハイザーIE8が発売されるまでは、ハイエンドイヤホン=マルチBAでした。
現在では特許が切れたらしく、価格が下がったり、イヤホンメーカー各社で開発できるようになったため、マルチBA=ハイエンドではなくなりました。
音質
今の基準で考えると、決してフラットな音質ではないです。柔らかくやや曖昧な低音域とキラキラの高音域。バランスは低音域と高音域が強く、BAドライバのクロスオーバーの影響でやや控えめな中音域。そして、とても広い音場。
この組み合わせは、似たようなものがなく、今でも非常に魅力的なイヤホンです。この音が気に入れば、他のイヤホンでは、なにか物足りなく感じます。
ただフラットなだけのイヤホンやヘッドホンは増えてきたため、個性のあるイヤホンの価値は高いです。1本はこういったモノを手元においておきたくなる、そんなイヤホンです。
まとめ
現在生産されていないのは、本当に残念です。
後継機種や10周年記念モデルも発売されましたが、どれも同じ音質ではなく別物のようです。
壊さないように大切に使っていきたいと思います。10proを持っている方は大切に使ってほしいです。
リモールドもできますが、この独特なハウジングから生み出される音がなくなってしまうので、そのまま使うことをおすすめします。
予備にもう1本買っておけばよかったなぁと後悔しています。
予備にもう1本買っておけばよかったなぁと後悔しています。
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