2021年2月20日土曜日

キーボードの選び方

PCの入力デバイスとしてキーボードは欠かせないものです。音声入力の精度が高くなっているので音声入力をメインに使っている人もいるようですが、いまだにキーボードが主流だと思います。1,000円以下で買えるものから3万円以上するものまでありますが、どれも文字を入力するという機能は同じです。当たり前ですが、値段が高いから速くタイピングできるわけではないです。そんな中でキーボードの特徴と選び方を簡単に解説します。

キースイッチの方式

キーボードの筐体の剛性などで多少の打鍵感の違いが出ますが、採用しているキースイッチの方式によって打鍵感がほとんど決まります。

筐体の設計がしっかりしていないキーボードでは良いキースイッチを採用していても、キーを強く叩いたときにカーンという金属音がするものがあります。結構気になる音なのでちゃんとしたメーカーのものを買いましょう。できれば店頭で確認したいところです。

メカニカル

ひとつひとつが独立したキースイッチを採用しています。スプリングの力によってキーが戻ります。
有名なキースイッチのメーカーはドイツのCherryMxです。キースイッチは種類があり、それぞれ違う打鍵感を持っています。キースイッチの軸の色によって打鍵感が違うので軸の色で呼ばれることが多いです。
カチカチしたクリック感がある打鍵感を選べるのはメカニカルだけです。
すべてのキースイッチの中で一番打鍵音がうるさいです。静音モデルもありますが、それでも十分にうるさいので気をつけましょう。

メンブレン

安いデスクトップ用のキーボードに採用されています。生産性に優れているので安いです。静音性が一番高いので、とにかく静かなキーボードが欲しい人におすすめです。打鍵感は基本的にやや重く、一定の抵抗があったあとに急になくなる感じです。キートップのグラつきがありブヨブヨした打鍵感です。

パンタグラフ

ノートPCに採用されているケースが多いので一番多くの人に馴染みのあるキースイッチだと思います。とにかく薄くできるのが特徴です。キーストロークが短いので、打鍵感が軽くペチペチした感じです。キートップの隙間にゴミが溜まりにくく、キーボードがフラットなので掃除がとてもしやすいです。キーボードを持ち運ぶ機会が多い人におすすめです。

静電容量無接点方式

日本の東プレのみが生産していたキースイッチです。最近では中国のNiZというメーカーからも発売されています。実質この2社のキーボードのみでの採用です。私が購入したHHKBも東プレが生産しています。
構造はメンブレンとメカニカルを組み合わせたような構造です。メンブレンのラバードームの中に円錐のバネが入っているだけに見えます。メンブレンと違いそれぞれのラバードームは独立しています。そして、メンブレンのように物理的な接点がありません。

打鍵感と静音性のバランスがよく耐久性が高いです。最高のキーボードを体験したいという人におすすめです。生産しているメーカーが少ないので好みのデザインがなかったり、ワイヤレスのラインナップが少ないのが欠点です。あと値段が高いです。

有線かワイヤレスか?

ワイヤレスのほうがデスク上に余計な線がなくなってスッキリします。デスク上でキーボードを頻繁に動かす場合はワイヤレスが良いです。
複数のデバイスをキーボード1つで切り返しながら使いたい場合はワイヤレスの方が圧倒的に便利です。

デメリットはバッテリー駆動なので、電池を交換したり充電する必要があります。
入力遅延や安定性が有線よりも悪いです。最近の製品でちゃんとしたメーカーの物であれば、ワイヤレスでも入力遅延が感じられるような製品はほとんどないです。
シビアなゲーミング用に使うという場合は有線のほうが安心感があります。プロゲーマーでも最近はワイヤレスを使用している人もいるので、入力遅延や安定性にはほぼ問題がないと言えます。ほとんど遅延は感じられないですが、精神安静上有線のほうが安心です。

最近のワイヤレスのデメリットはほとんどありません。ただしマウスのようにコードがないことによって非常に快適になるわけではないので、デスクトップで使う場合は有線で十分だと思います。

BluetoothかUSB接続か?

ワイヤレスにはBluetoothとUSB接続の2種類の方式があります。
基本的にはUSB接続の方が優秀です。USB接続はBluetoothより安定感があり遅延が少ないです。デメリットは専用のレシーバーをUSBポートに接続する必要があります。USBポートが1つ潰れるので、USBポートが少ないノートPCで使うという場合はBluetoothのほうが良いです。タブレットやスマホで使いたい時もBluetoothで接続することが多いです。
高級なキーボードになるとBluetoothとUSBどちらにも対応していて瞬時に切り替えできる機能を搭載しているものもあります。
安定性や低遅延性能を求める人はUSB、いろいろな端末で使いたい人はBluetoothにするのがおすすめです。

代表的なキーボードメーカー

たくさんのメーカーがキーボードを発売していますが、個人的におすすめなメーカーを2社紹介します。

東プレ

高級なキーボードの代名詞的存在のメーカーです。高耐久と唯一無二の打鍵感を持つ静電容量無接点方式を採用したキーボードを製造しています。
デザインは業務用らしい感じでスタイリッシュではないです。最近のモデルは左上のロゴの辺りの色が違うのが絶妙にダサいです。
現在ワイヤレスモデルのラインナップがありません。ワイヤレスで使いたい人は候補から外れてしまいます。
商品ラインナップが非常に複雑です。ほとんど見分けのつかないキーボードが公式ホームページに並んでいます。
打鍵感にこだわりがある人が選ぶメーカーです。価格が非常に高いので購入するのは勇気が必要です。

東プレのおすすめキーボード

同じような商品ばかりのラインナップが非常に複雑なので、おすすめのモデルは特にありません。
公式ホームページから、カラーと日本語配列か英語配列、APSの有無、キー荷重、スイッチ音から絞り込みができるので自分の用途に合ったものを選びましょう。
あえておすすめをあげるなら、偏荷重のキーボードです。偏荷重は
同じキースイッチを使っているHHKBには偏荷重の設定がないので、選ぶ価値があると思います。

ロジクール

低価格から高価格帯までしっかりとカバーしています。とりあえず迷ったらロジクールを買っておけば間違いないです。
ワイヤレスの安定性が非常に高いです。打鍵感がよくワイヤレス製のキーボードが欲しい場合は最有力候補です。
日本では、英語配列のキーボードを販売していないのが残念です。

ロジクールのおすすめキーボード

K835がオススメです。ワイヤレスではないですが、打鍵感がのよいメカニカルキースイッチを採用していてアルミニウム製の筐体も高級感があります。私が使っているHHKBよりもパッと見た感じでは高級感そうです。キートップは通常のプリントなので少し安っぽさがありますが、価格を考えれば気になりません。メカニカルなので打鍵音がうるさいので静音性を重視する人にはおすすめできませんが、コスパは最高です。よくわからない中華製のキーボードを買うよりもこちらを買ったほうが良いです。

 

ゲーミングキーボードには注意

なぜか光ります。光る=ゲーミングキーボードです。とりあえずゲーミングと名付けて光らせておけば、PCパーツは何でも高く売れるようです。あの東プレでさえも、ただ光る機能を追加しただけのREALFORCEをゲーミングキーボードとして販売したのは少し残念です。逆に言えばそれだけ需要があるということでしょう。私は特に光ることのメリットを感じないので、いらない機能です。

安物のゲーミングキーボードはただ光るだけですが、ちゃんとしたものは入力の遅延が少なかったり、打鍵感が軽くクリック感があるものが採用されていてゲームを快適にプレイできるような設計がされています。

ちゃんとした製品もありますが、ゲーミングだから良いというわけではないです。ただ光るだけのキーボードを買わないように気をつけましょう。

まとめ

入力デバイスなので打鍵感の好みで選びましょう。高いからと言って特に性能が良いわけではないです。ワイヤレスモデルは値段が高いほうが接続の切り替えができたり、性能的に優れていることがあります。

私は静電容量無接点方式が気に入っていますが、メンブレンが最高と感じる人もいると思いますし、メカニカルのカチカチ感も魅力的です。

打鍵感は完全に好みの問題なので、気に入ったものを購入しましょう。初めてちょっといいキーボードを購入しようと思ったらK835がおすすめです。価格と打鍵感のバランスが良いです。

安物で十分と考える人も多いですが、キーボードは長く使えるので良いキーボードを体感して欲しいです。私は良いキーボード使ってしまったので、安物には戻れそうにありません。知らなければ別に不満はなかったような気もするので、悩みどころです。

2021年2月7日日曜日

デスクの上を省スペース化したい HHKB ハッピーハッキングキーボード


コンパクトなキーボードがほしい

フルサイズのキーボードはデカすぎます。テンキーはあると便利ですが、私はそこまで多用しないのでいりません。
独立したファンクションキーはあったほうが便利ですが、なくても平気な気がします。
独立した矢印キーは欲しいです。
打鍵感は良いほうが当然いいです。
なるべくコンパクトにしたいですが、キーサイズが小さいのはNGです。キーサイズが小さいとタイプミスが増えやすいです。慣れれば問題ないのかもしれません。
Mac対応が必要です。Winキーがないほうがデザイン的にカッコいいです。
これらの希望に合いそうなキーボードを探した結果HHKBになりました。
最初にHHKB Lite2 for Macを買いました。独立した矢印キーもあり理想に近いキーボードでした。


メンブレンなので打鍵感はいまひとつでした。メンブレンにしては良いほうですが、キース
イッチの性能差はどうしようもなかったです。これは実は後付の理由で、静電容量無接点方式を知らなければ、こんなもんかと妥協できる範囲内だったと思います。1000円くらいのメンブレンキーボードよりもHHKB Lite2 for Macのほうが、メンブレンにありがちなグニョグニョ感が少なく圧倒的に打鍵感が良かったです。

で結局HHKB Professional2を買うことになりました。独立した矢印キーはなくなりましたが、打鍵感は最高です。この打鍵感を知らなければ、メンブレンやメカニカルでも別段不満はなかった気がします。

HHKBってなに?




HHKBはハッピーハッキングキーボードの略称です。独自のキー配列を持ち静電容量無接点方式のキーを採用しています。独自のキー配列のおかげでとてもコンパクトなので、デスクの上を省スペース化できます。
私はデスクの省スペース化のために買いましたが、本来の設計の意図とは違います。コンパクト化するための配列ではなく、疲労感を減らしてより速くタイピングするための配列のようです。

プログラミングをするわけではないですが、普通に使うぶんには独自のキー配列でも別に問題ないです。独立した矢印キーがないのが地味に不便ですが、慣れれば問題ないと思います。ファンクションキーを多用する人には、独立したファンクションキーがないので不便に感じるかもしれません。

配列は英語配列を選びました。英語配列のメリットは色々あると思いますが、私はエンターキーが横に長いのが気に入っています。わずかな差かもしれませんが、押しやすさが全然違います。あとデザインがカッコいいです。日本語配列とキーボード本体のサイズは同じですが、見た目は小さく見えます。
英語配列か日本語配列のどちらが良いかは議論がありますが、好みの問題です。自分がいいと思う方を使ったほうが満足感が高いです。

東プレREALFORCEとどちらにするか?

静電容量無接点方式という点でキーボードを探すなら東プレREALFORCEかHHKBの2択になります。最近は中華製の静電容量無接点方式のキーボードもありますが、信頼性が不安です。

私はHHKBのコンパクトさに惹かれたので東プレREALFORCEと悩みませんでしたが、一番の比較対象になるでしょう。

キースイッチ

HHKBと東プレREALFORCEはどちらも同じキースイッチを使っています。HHKBが東プレからキースイッチの提供を受けています。なので、打鍵感はほとんど変わらないはずです。私が店頭で試した程度では、全く一緒に感じられました。

ただし、キー荷重が違えば打鍵感はかなり変わります。
HHKBのキー荷重は45gだけなのに対して、東プレREALFORCEの方がキー荷重の選択肢が多いです。標準の45g、軽い30g、重い40g、偏荷重のキー荷重から選ぶことができます。
特に偏荷重のキーボードはかなり魅力的でした。偏荷重というのはキースイッチによって荷重が違います。人差し指で押すキーは重く、小指で押すキースイッチが軽くなる設定です。非常に合理的で東プレREALFORCEにするか一番悩んだポイントです。
軽い打鍵感や重い打鍵感が好みなら、35gや45gが選べる東プレREALFORCEにするべきです。

デザイン

東プレREALFORCEの現行のラインナップの右上のREALFORCEのロゴと周辺の色が違うのが好きになれません。ブラックならあまり目立たないので許容範囲内ですが、残念なポイントです。ケーブルの引き出し方向を3方向に選べるのはメリットです。

HHKBのほうがロゴが目立たなくてシンプルです。入力デバイスとしての機能だけに特化している印象が強くてカッコいいです。ケーブルの引き出し方向は上側の一方向のみです。

キーボード本体のデザインには関係ないですが、HHKBのサイトのデザインがすごく良いのでぜひ見てください。

打鍵感について

静電容量無接点方式の打鍵感は最高だとよく言われますが、実際に使ってみないとよくわかりません。店頭で適用にポチポチ叩いてみたときは、別にそんなに言われているほど良くないじゃんと思いまいした。
店頭で試した程度ではCherryMXの茶軸などのリニアタイプのメカニカルキースイッチとあまり変わらないように感じられました。

ただ実際に購入して使い込んでみるとジワジワと良さがわかってきます。

静電容量方式の打鍵感は最高ですね。これを使ったあとにメンブレンのキーボードを使うとキーがグニョグニョ動く感じがして気持ち悪く感じます。この打鍵感を知らなければメンブレンでも気にならなかったのですが、一度使ってしまったら最後で、もとに戻ることは不可能です。非常に良いものに触れているという感覚が湧いてきます。タイピングというよりもキーを押し込む感覚が楽しい、キーを押し込みたいという衝動に駆られます。

メカニカルとは好みの問題だと思います。メカニカルの打鍵感のほうが好きという人も多いと思います。メカニカルにも色々な打鍵感のキースイッチがあります。そのなかでもクリック感があるメカニカルが最高という気持ちもよく分かります。

どれが優れているということはなく、好みの問題です。メンブレンの打鍵感のほうが好きだという人もいると思います。静電容量無接点方式がメンブレンやメカニカルよりも明確に優れている点は、耐久性です。名前の通り物理的な接点を持たないので、摩耗による故障がほとんどありません。

一般的な使い方では、メカニカルだろうと静電容量方式であろうと摩耗による故障は起こりにくいです。故障が起こる頃にはキーボード本体の見た目がボロボロになっていると思います。その頃には、ほとんどの人は新しいキーボードを買おうかなと思うはずなので、好みの打鍵感と配列を持ったキーボードを選ぶのが良いです。
良いものを長く使いたいという人には、静電容量無接点方式は最高の選択肢になります。


墨という独特のカラーリング

真っ黒ではなく灰色でもなく、まさに名前の通り薄墨を紙に塗ったのようなカラーです。
高級感があるとは言えないですが、落ち着いた色です。真っ黒よりも主張が少なく視界の妨げになりません。打つためだけに特化した道具という印象が強いです。存在を主張せずに目的のために存在している感じが気に入りました。
刻印モデルを選びましたが、刻印はあまり目立ちません。少し離れてみると、無刻印のように見えます。目立ちにくいですが、近くで見て分かりにくいということはないです。無刻印のキーボードに憧れるけれど、実用性がないなと思っている人におすすめです。

昇華印刷という消えにくい方法でプリントされています。安いキーボードにありがちな印刷してある感じがなく、キートップに染み込んでいるように見えます。かなりかっこよくて気に入っています。
欠点はホコリが目立ちやすいです。




ワイヤレスにしなかった理由

ワイヤレスの方がよりデスクの上をスッキリさせられるので、迷いました。結局は有線モデルにしました。

デザインがダサいです。電池がここに入っていますと主張しているあのデザインは駄目でした。電池交換がしやすく実用的ですが、もう少しどうにかならなかったのでしょうか?実用性を重視していてカッコいいと感じる人もいると思いますが。

デスクトップでしか使わないので有線でも問題ないです。ケーブルが無いほうがよりデスクの上をシンプルにできますが、電池交換の必要がないことと安定性が高いので有線を選びました。デスク上のキーボードを移動させることが多い場合はワイヤレスが良いでしょう。USBではなくBluetooth接続なのも地味にデメリットです。

USBハブ機能がないのも残念です。私はそこにロジクールのマウスのunifyingレシーバーを刺しているのでないと地味に不便です。

最後に値段が高いです。なので買わなかったの言うのが本音です。





現在のHHKBのラインナップ

HHKBの現行のラインナップは3種類だけです。ワイヤレスが2モデル、有線が1モデルです。
メンブレンの廉価モデルであるLiteは廃止されました。HHKBの配列を試してみたいから、安いメンブレンモデルを買ってみようということはできなくなりました。あまり売れなかったのでしょうか。これによってHHKBの購入のハードルが高くなりました。いきなり高いモデルを買うしかないです。
私が購入したHappy Hacking Keyboard Professional2にあったUSBハブ機能は全てのモデルで廃止されてしました。復活して欲しい機能です。

HHKB Professional HYBRID Type-S

Bluetooth接続とUSB type-Cでの有線接続ができる仕様です。これがHYBRIDの名前の由来のようです。

単三電池2本で3ヶ月間動作するようです。これが待機時間を含めるのか、連続使用による動作時間なのかはわかりません。連続使用時間で3ヶ月なら非常に長くて素晴らしいですが、待機時間も含めて3ヶ月ならやや短いです。
ネット上のレビューを見る限り待機時間も含めて3ヶ月のようなので短いと思います。

同じ価格帯のロジクールのG913は、連続使用時間でLEDバックライトオフの状態で1102時間、つまり1ヶ月半の動作時間を確保しています。1日12時間使用した場合はHHKBと同じ3ヶ月です。

Type-Sは静音モデルです。より静かなタイピング音を求める人におすすめです。打鍵感も若干違うようです。店頭で試した程度ではあまり違いがわからなかったですが、微妙に違うなくらいには感じられたので長時間使えば、確実に違いがわかると思います。

HHKB Professional HYBRID

HHKB Professional HYBRID Type-Sから静音機能がなくなったモデルです。あとは同じです。打鍵感も多少異なるようです。

HHKB Professional Classic

有線モデルです。接続はUSB type-Cです。私が使っているProfessional2は接続がMicro
英語配列のみです。日本語配列の有線モデルはありません。日本語配列を使いたいなら、ワイヤレスモデルを購入するしかありません。
静音モデルの設定もワイヤレスモデルだけです。


まとめ

私もそうですが、筆記用具にこだわる人は多いと思います。キーボードも同じような存在であることをHHKBは教えてくれました。存在を感じさず文字を入力する目的のために存在しているのは、ぺんてるのGRAPH1000 FOR PROのようです。ギラギラ光るゲーミングキーボードとは正反対の存在のような気がします。ゲーミングキーボードは別方向のかっこよさがありますが、私はシンプルなHHKBのほうが好きです。




東プレと迷うなら、東プレを選んだほうが後悔はないでしょう。東プレの方があらゆる面でスタンダードです。普通の配列でフルキーボードがあります。キーの重さが違う偏荷重の設定もあり、APCというキースイッチの反応するストローク量を調整できる機能があるモデルもあります。
HHKBが考える最高の配列とコンパクトさに魅力を感じないなら、東プレのREALFORCEにしておいた方が良いです。東プレのREALFORCEはスタンダードな配列のフルキーボードなので違和感なく使えます。打鍵感もHHKBとほとんど同じです。HHKBは東プレのキースイッチを使っているので当然かもしれませんが。

コンパクトさと慣れると効率的なキー配列が気に入った人にとっては、最高のキーボードになるでしょう。私はまだキー配列に完璧に慣れていませんが、コンパクトでシンプルなデザインで打鍵感の良さを最高に気に入っています。

2021年1月11日月曜日

トラックボールって便利?

みなさんは普段どんなマウスを使っていますか?
最近はスマホやタブレットを使う機会が多いので、マウス自体使うことが減っています。ノートパソコンを使う場合も内蔵のトラックパッドを使う事が多いと思います。
そんな中であえてマウスを使う人はこだわりを持って使っているでしょう。

トラックボールって便利?

基本的マウスの方が便利です。
トラックボールは使いやすい、疲れにくいという記事が多くネット上にありますが、そんなに変わりません。
毎日1日に10時間以上連続で使い続けるようなら、もしかしたらトラックボールの方が疲労が少ないかもしれません。
FPSにハマっていた頃、マウスで10時間くらいプレイしていたときも、めちゃくちゃ手首が痛いとか腱鞘炎になったりはしませんでした。
なので普通に使っているぶんには大差ないと思います。トラックボール独自の操作感に慣れる必要もあるので、疲労を軽減したいからマウスからトラックボールにしたいという人は考え直したほうがいいです。

精密な操作ができる?

半分ホントで半分ウソです。ゆっくりと非常に精密な操作はできます。低感度にしてピクセル単位で作業する場合にはいいでしょう。マウスだと浮かせてからおいたときにブレが起こります。トラックボールは持ち上げて置くという動作が必要ないので、ブレはないです。
ただ、そういった使い方をする人は自分で最適なデバイスを用意していると思います。普通に使うだけなら、ピクセル単位の操作を求められることはないと思います。

狙った場所に素早くカーソルを合わせる用途では使い物になりません。精密な操作ができるからFPSのエイムが良くなると思ってトラックボールを買うのはやめましょう。使っているプロゲーマーがいないので気がつくと思いますが、トラックボールはゲームでは使い物になりません。気をつけましょう。

メンテナンスが必要


トラックボールはメンテナンスをする必要があります。メンテナンスと言っても難しいことはなく1分位でできます。ボールを外してホコリを取り除きます。本体裏側に穴が空いているので、そこから細い棒でボールを押すと外れます。綿棒がおすすめです。ボールを外した後、ボールをメガネ向きなどの柔らかい布で拭きます。綿棒でボールの接点のホコリを取り除きます。
マウスはほとんどメンテナンスフリーですが、トラックボールは使用頻度にもよりますが1週間に1回くらいは掃除する必要があります。
汚れると操作感がかなり変わってしまいます。常に同じ操作感ではないので気持ち悪いです。
徐々に操作感が悪くなっていくので、気が付きにくいですが掃除した後と前では全く操作感が違います。

目的を持って購入しよう

明確な目的を持たないでトラックボールを購入するのは絶対にやめましょう。マウスのほうが便利です。
私がトラックボールを導入した目的は、デスクの上を省スペース化するためです。
マウスパッドって邪魔じゃないですか?マウスパッドを使わない場合でも、マウスの移動させるスペースの確保する必要です。マウスを移動させたときに、キーボードに手が当たるストレスが無くなります。
設置スペースを選ばなく、省スペース化できることにマウスの操作性以上の魅力を感じるならトラックボールは最高のデバイスになるでしょう。

まとめ


デスクの省スペース化したい、ベットやソファで寝転んで使いたいという場合以外ではトラックボールのメリットはそこまで大きくないです。
トラックボールを使うと作業効率が上がったとか、疲労感が減ったとか言うのは嘘ではないかもしれませんが、ほとんどの場合マウスの方が便利なことが多いです。
なので、どうしてもトラックボールを使いたいという人は、期待しないで購入しましょう。
私も初めてトラックボールを購入したとき、全然便利じゃないじゃんと思いました。
慣れるのに1週間くらい掛かりました。最初は全然ドラッグアンドドロップできませんでした。人差し指に力を入れたまま、親指でボールを転がす操作は想像以上に難しいです。
省スペース化のために多少の不自由さを受け入れる覚悟があればオススメです。

2021年1月10日日曜日

Apple製品の中で一番魅力が伝わりにくいモノ Apple Watch

アップル製品の中で一番手を出しにくいのが、Apple Watchだと私は思っています。
まず、iPhoneを持っていないと使えません。この時点でAppleへの信仰心が試されます。Androidユーザーは一切お断りです。
あと、できることがよくわかりません。大体の機能はスマホで使えるのに、わざわざ腕に巻き付けた小さな画面で操作する意味がわかりません。ポケットからスマホを取り出すより若干速いかもしれませんが大差ないです。
そして値段が高いです。

そんなわけで、今まで必要性を一切感じませんでしたが、今回Apple Watchを購入しました。
購入した一番の理由は、コンビニでの支払いでラクしたいからです。Face IDは今の時代には使いづらいです。支払いのためだけにマスクを外すのは面倒です。それだけの理由です。

どのモデルにするか?

現行のApple Watchは大きく分けて3種類あります。一番高いSeries 6、中間のSE、一番安いSeries 3です。
SEとSeries 3は候補から一瞬で外れました。なぜならWatchという名前でありながら時間がわかりません。問題外です。腕時計の最大のメリットである「チラ見で時間が分かる機能」がないなら、スマートウォッチとは何なのか?普通の腕時計以下の存在です。
今までApple Watchを購入しなかった最大の理由でもありました。
というわけでSeries6一択です。

あとは、バリエーションを決めるだけです。

まずは、サイズです。40mmと42mmがあります。ここは完全に好みの問題です。私は40mmにしました。常に身につけるので、小さいほうが邪魔にならなくていいと思いました。どうせコンビニでの支払いメインでしか使わないので。
スマートウォッチとしてガッツリ使いたい人は画面が大きい44mmのほうがいいと思います。

次に、ケース素材です。アルミ、ステンレス、チタンの3種類があります。
ケース素材が違うだけです。価格差はアルミと比べてステンレスは約3万円、チタンは約4万高いです。スマートウォッチとして性能は一緒です。
私はステンレスにしました。
いやいや性能が一緒ならアルミ一択でしょ!と思いますが、ステンレスかチタンがオススメです。
ステンレスとチタンのApple Watchはサファイヤガラスを採用しています。サファイヤガラスは高級腕時計にも採用されていてキズがほとんどつきません。
「キズをつけたくなかったらフィルムを貼ったり、ケースをつければいいじゃん」と思うでしょう。しかし、普通の腕時計にフィルムを貼ったりケースをつけたりしますか?100万円以上する腕時計でもそんなことをしている人はいませんよね。
なので、私もApple Watchにそんな余計なものを付けたくないです。
ステンレスとチタンとの違いはケースがピカピカしているかどうかです。ピカピカなのがステンレス、つや消しなのがチタンです。あとチタンのほうが少し軽いです。ステンレスかチタンは好みです。好きな方を選びましょう。

最後はカラーです。完全に好みの問題です。気に入ったカラーを買いましょう。
ステンレスのみカラーによって、ケースのコーティングが違います。ブラックのコーティングが一番硬くキズが付きにくいです。次にゴールドで、シルバーがコーティングなしです。
私はキズが付きやすいですが、ステンレスシルバーにしました。好みのカラーなので。

結局何ができるの?

8万円くらい払ったApple Watchですが、ハッキリ言うとたいして便利じゃないです。
8万円も払うならiPad Airを買ったほうが、多くの人にとって満足度は高いと思います。
スマートウォッチをつけていると「便利?」とか「何ができるの?」と聞かれることが多くなります。最近は着けている人が増えて被ったりするので、そこまで多くなくなってきましたが。

答えは「着けてみないとわからない」です。

Apple Watchの何に魅力を感じるかは人それぞれです。
私にとってのApple Watchは「ラクするため」のデバイスです。
コンビニの支払い、Macのロックの解除、iPhoneを探す機能は相当便利です。それだけに8万円を払うのはどうなんでしょう?

どんな人にオススメ?

まずアップル信者です。まぁこういう人は、すでにApple Watchを持っているでしょう。
次にMacを使っている人です。Apple Watchを身に着けているだけでロック解除できます。便利です。でも、スリープからの復帰はできますが、起動時にはパスワード入力を求められるので、そんなに便利じゃないかもです。
デザインが気に入った人はすぐに買いましょう。ファッションアイテムだと考えれば激安です。
健康管理をしたい人には本当にオススメです。Appleもようやくその事に気がついたようで健康管理をプッシュしています。未だに日本では心電図機能が開放されていないのが残念です。認証は取れているようなので気長に待つしかないようです。

どのモデルがオススメ?

Series 6かSeries 3の2択です。とりあえずApple Watchがどんなものか試したい人はSeries 3です。とにかく安いので失敗しても後悔しません。ただしApple Watchを気に入ってしまった場合必ずSeries 6を購入したいと思うようになります。
そう考えるとSeries 6一択です。Series 6を買いましょう。気に入らなければすぐに売れば、それなりの値段で売れます。またApple公式サイトからの購入であれば14日以内であれば、使用済みでも返品できます。

まとめ

常時点灯ディスプレイになったことで、ようやく腕時計として最低限の機能をApple Watchは手に入れました。
コレを買えば劇的に何かが変わるわけではないですが、実際身に着けてみるとApple Watchの魅力に取り憑かれます。
万人にオススメできるものではないですが、ハマる人にはとことんハマるデバイスです。
Apple公式サイトから購入であれば、実質無料で14日間のお試しができるので自分にあうか合わないかためしてみる

2020年12月27日日曜日

初めてヘッドホンを選ぶ方へ 最高のヘッドホンの見つけ方


50万円以上ヘッドホンを買ってしまった結果、どうやったら良いヘッドホンを見つけられるか少しは理解できたので、解説したいと思います。
初めてちょっといいヘッドホンを買おうと決めたあなたには、ぜひ知っておいてほしいです。少ない投資で最高の音質を手に入れましょう。

カタログスペックは意味がない

最近では、ネット上のレビューを参考にして商品を購入する人が多いと思います。
しかし、どんな商品を買うときもカタログを全く見ないで購入する人は少ないでしょう。

ヘッドホンを購入するときにも、ネット上のレビューも参考になると思いますが、音質の好みは人それぞれなので、鵜呑みにはできません。

そして残念ながら、ヘッドホンのカタログスペックは、ほとんど意味がありません。
なぜなら、スペックから音質を確認できる項目がないからです。

音質には関係ありませんが、意味のある項目は3つだけです。

1つ目は重量です。装着感に影響します。基本的に軽ければ軽いほど装着感は良いです。
個人的には300g以下をおすすめします。400g以上のヘッドホンの購入を考えている場合は、必ず試着しましょう。なるべく長時間試着することをおすすめします。

2つ目と3つ目はインピーダンスと感度(出力音圧レベル)です。この2つは音量の取りやすさに関係します。
インピーダンスはΩ(ohms)で表されます。この値が低いほど音量が取りやすいです。
音圧感度はdbで表されます。この値が高いほど音量が取りやすいです。

カタログスペックからは音質はまったく分かりません。

これが原因でヘッドホン・イヤホンスパイラルに陥る人がたくさんいます。
価格が高ければ高いほど音質が良いわけでもないです。
基本的には価格が高いほうが、細かな音まで聞こえます。しかし、音のバランスが好みであるとは限りません。
フラットが良いとされていますが、フラットの定義も曖昧です。
測定上のフラットと聴覚上のフラットは同じではないです。
このあたりの話は複雑になるので、ここでは解説しませんが簡単に解説します。

まず、人間の可聴域は20Hz~20kHzとされています。
しかし、機械のようにこの範囲がフラットに聞こえるわけではありません。
人間は人の話し声が聞き取りやすいように、中音域が聞き取りやすいようになっています。
そのため、どれだけ測定上のフラットを達成しても、聞き取る人間にはフラットには聞こえません。
そのため、各メーカーはどうすればフラットに聞こえるかということを研究しています。

未だにはっきりした答えは出ていません。

ヘッドホンの中には周波数特性のグラフを載せているものがあります。
とても参考になりそうですがダメです。
どういった条件で計測したか不明です。
ダミーヘッドを使って計測したのか、直接ヘッドホンのドライバーの近くで計測したのかで、全く違ったグラフになります。


ヘッドホンは楽器のようなものかもしれません。
ピアノも調律師がしっかりと調律してもメーカーによって音色が違います。
バイオリンも最新の科学技術で制作されたものよりも、ストラディバリウスのほうが評価が高かったりします。
どれだけ測定上の数値が優れていても、人の心を動かすナニカが足りないのかもしれません。

開放型と密閉型

ヘッドホンには大きく分けて開放型と密閉型があります。
基本的には開放型のほうが高音質です。ただし、最近では開発が進み密閉型でも高音質が実現できるようになってきています。

開放型

同じ価格帯であれば、開放型のヘッドホンのほうが高音質であることが多いです。
ただし、10万円クラスのヘッドホンは例外です。そのクラスのヘッドホンをいきなり買おうとする方は、あまり多くないと思いますが。

メガネをかけているなら開放型がオススメです。
密閉型は、しっかりと密閉されていないと設計者の意図通りの音質を発揮できません。メガネをかけて装着すると、しっかりと密閉されません。
側圧も強いので、メガネのテンプル部分が押し付けられて痛みを感じやすいです。

密閉型

密閉型のほうが基本的に低音が多く出ます。
音漏れが気になったり、騒音が多い環境で使う場合は密閉型を選ぶといいでしょう。
開放型よりも特徴的なヘッドホンのほうが多いです。

開放型か密閉型か?

開放型と密閉型のどちらが良いか決めるには、自分の使う環境を考えましょう。
純粋に音楽を高音質で聞きたいなら、開放型がおすすめです。
密閉型は開放型に比べて重量が重く、側圧が強い物が多いので装着感が悪くなりがちです。

まとめ

客観的な選ぶ基準を1つ決めましょう。
私はヘッドホンの重量をおすすめします。ヘッドホンは身に付けるものなので、装着感はとても大切です。
私も音質は気に入っていたのに、装着感が合わずに手放してしまったヘッドホンが多いです。
重量はカタログから読み取れるので、試聴するのが難しい場合でも大丈夫です。

音質については、試聴するのがベストです。
特に開放型を視聴するときは、静かな環境で試聴しましょう。
なかなか静かな環境で試聴できるお店はないと思います。騒音が多いと低音が少ないお店を探すのは、かなり難しいと思います。
高級機は試聴レンタルサービスがあるので、ぜひ使ってください。

2020年10月12日月曜日

【RAAL Reruisite SR1a】51万円!リボン振動板搭載の完全開放型ヘッドホン

RAAL Requisiteは開放型ヘッドホン「SR1a RAR-HP-SR1A」を2020年10月9日から発売しました。  30Hzから30kHzの帯域幅を再現する自社開発のリボン振動板を搭載した完全開放型ヘッドホンです。


リボン振動板とは、スピーカーの高域を担当するツィーターに採用されることが多い駆動方式です。

完全開放型とは、背面だけではなくイヤーパッドがなく耳の周りも覆われていないヘッドホンです。

SR1aは通常のヘッドホンと異なるスピーカーに近い動作原理の振動板を使ったヘッドホンのため、スピーカー用のアンプが必要です。

重量は425gです。500mlペットボトルより少し軽いくらいです。
私が普段使っているaudio-technica ATH-R70xが210gなので、2倍の重さです。
最近のヘッドホンは本当に重いですね。
私は300g以上のヘッドホンをつけていると、首や肩が痛くなるので無理です。
メーカーの開発者の皆さんは強い首をお持ちなのでしょうか?
最近のヘッドホンは音質を追求しすぎていて、装着感を軽視していませんか?

SR1aはセルビアで生産されています。
なぜならSR1aは、アメリカのプロフェッショナル用音響機器メーカーであるrequisite AUDIO ENGINEERINGとセルビアの高級リボン振動板メーカーとして定評のあるRAALとのコラボプロジェクトだからです。
あまりヘッドホンの製造国としては馴染みがない国ですね。

まとめ

51万円と非常に高価ですが、他には例のない完全開放型リボン振動板搭載のヘッドホンです。
「スピーカー用のツィーターにハウジングを付けてヘッドホンにしてみた」だけに見えますが、どうなんでしょうか?駆動するのにもスピーカー用のアンプを使用します。
しっかりとしたスピーカー用のオーディオシステムを持っている方は、導入しやすいかもしれません。ヘッドホンアンプは使えないので、ヘッドホン中心のオーディオシステムの方は厳しそうです。




カーボンやステンレス、レザーを使用しているので、高級感はあると思います。
ゲーミングヘッドホンみたいな見た目は、好みが分かれそうです。

唯一無二のヘッドホンだと思うので、気になる方はチェックしてみましょう。


2020年10月8日木曜日

GRADOヘッドホンの魅力

GRADOは最高の音質のヘッドホンというわけではないと思います。
しかし、他のメーカーにはない魅力があります。
とてもシンプルなつくりで軽量で装着感が良いです。そして、何より音楽を楽しく聞けます。
発売しているヘッドホンのラインナップには上下関係はなく、どのヘッドホンも他のヘッドホンとは違う魅力があります。
GRADOのヘッドホンは、高いモデルほど音が良いわけではありません。それぞれに全く違う音質なので、ついつい購入してしまいます。



GRADOってどんなメーカー?

GRADOはグラドと読みます。
GRADOは1953年にニューヨーク州ブルックリンで、ジョゼフ・グラド氏によって創業されたメーカーです。
創業当時は、アナログレコードの針を製造していました。現在でもアナログレコードの針を製造しています。
1990年にジョセフ・グラド氏の甥のジョン・グラド氏の考案により、同社初のヘッドホンHP1が発売されました。HP1のデザインを見てみると、現在のGRADOのヘッドホンのデザインとほとんど変わりません。

GRADOのヘッドホンは、一部の低価格モデルとイヤホンを除いて、すべてニューヨーク州ブルックリンで製造されています。
製造工場の様子はYou Tubeで見ることができます。工場というよりも、町工場やガレージメーカーっぽい感じです。

ニューヨーク・ブルックリンの工場で、すべてハンドメイドで作られています。
ホットボンドで豪快にハウジングとドライバーを接着しています。そのホットボンドが、はみ出たりするのは当たり前です。
そんな感じの雑な作りで、ヘッドホンの構造もシンプルなため、民芸品や日曜大工などと揶揄されています。ネット上の評判なので、半分くらいは嘘だろうと思っていましたが、実際に買ってみると、本当に雑な作りです。
これで数万円するのは信じられませんが、音が良いので仕方ありません。他のメーカーが音響工学に基づいて精密に製造しているのに、こんな適当かつシンプルな作りで音質が良いのが不思議です。
どのモデルもほとんど同じ形をしているのに、音質はモデルごとにまったく違うのが驚きです。

ラインナップ

GRADOのヘッドホンのラインナップとしては大きく3つに分けることができます。

オンイヤータイプ

SR125e 、SR80e、SR60e、GH3などがこちらのタイプになりなす。
付属のイヤーパッドSはGRADOのイヤーパッドの中で最も装着感が良いです。
ケーブルも4芯構造で細く、扱いやすいです。
価格はGRADOの中で最も安価です。

セミアラウンドイヤータイプ

GRADOヘッドホンの中で最も人気のあるタイプです。
PrestigeシリーズのSR325e、SR225eとReferenceシリーズが該当します。限定モデルも一番多く発売されているのがこのタイプです。
ケーブルは8芯構造でかなり太く、やや扱いにくいです。

アラウンドイヤータイプ

StatementシリーズとPS500eを除くProfessionalシリーズが主に該当します。
大型のLパッドというイヤーパッドが装着されています。
イヤーパッドGは、非常に高く1万円以上します。レザー製ならこの価格でも納得できますが、ただのスポンジです。
ただのスポンジにしてはあまりに高いので、「何か特別な技術が使われていて、コレをつければGSシリーズの音質になるのでは?」と購入する人が多かったようです。
ケーブルは8芯構造でかなり太く、やや扱いにくいです。
重量が300g以上あるので、装着感が悪そうなので私は購入したことがありません。しかし、GRADOの最も価格が高いシリーズなので、とても気になる存在です。

GRADOヘッドホンの特徴

音質

モデルごとに音質はまったく異なりますが、共通点だけ紹介します。
クリアかつスピード感がありヌケの良い音が特徴です。
特に高音域の鮮やかさに定評があります。
低音域は少なめですが、そのおかげで高音域が引き立ちます。

モニターヘッドホンのように、細かく楽器ごとにチェックするような使い方ではなく、リスニング用のとにかく音楽を楽しもうというヘッドホンです。周波数特性を気にしたり、音楽制作をする方にはおすすめできません。

音量が取りやすいので、スマホやタブレット、ノートPCなど、どんな機器でも気兼ねなく使うことができます。ヘッドホンアンプがあったほうがより良い音で聞けますが、なくてもとても良い音を出してくれます。

一度ハマると他のヘッドホンでは満足できなくなる独特の中毒性があります。私も完全にハマってしまって、限定モデルが出るとつい買ってしまいます。

質感

上位モデルは木材とレザーの素材としての高級感はあります。
ただし、作りは非常に悪いのでヘッドホン全体としての高級感みたいなものはありません。
ネット上では民芸品とか工芸品とか言われていて、どうせネタだろと思って購入すると実際にそう言われる理由が分かります。
ハウジングとドライバーを固定するホットボンドは盛大にはみ出していて、アメリカンな思考で「接着されてればいいだろ」って感じです。
使用されてるプラスチックも、とにかく安っぽいです。バリがあるのは当然で表現するのが難しいですが安物感がすごいです。
ドライバーを保護するメッシュも丸くカットできていません。きっと手作りでひとつひとつ切り抜いている証拠でしょう。ハンドメイドインブルックリン最高ですね!
レザーのヘッドバンドの縫製が真っ直ぐなのには驚きました。素晴らしいです。絶対曲がっていると思ってましたから。

私は、「ヘッドホンとして必要な機能以外を削ぎ落としたシンプルな部品で構成されたミニマルなデザイン」と思い込むことで自分を納得させています。
こんな雑な作りのヘッドホンは、音が良くなかったら絶対に買いません。

装着感

シンプルな作りのおかげで非常に軽量のため装着感は良いです。
ただし、ゴワゴワのイヤーパッドの好みは分かれます。私はあまり気になりませんでしたが、ザラザラと安っぽいスポンジを耳に押し付けている感じです。
ほとんどのヘッドホンが、200g以下です。最近のGRADOと同価格帯のヘッドホンが300g以上の重量があるので、いかに軽いのか分かると思います。
私がGRADOを好きな理由の1番はこの軽さかもしれません。ここまで軽いのでつけている感じがほとんどないのが素晴らしいです。極太ケーブルの存在感は、かなりありますが。

重量のあるアラウンドイヤータイプのGSシリーズは所持していないので、装着感はわかりませんが、軽量モデルの装着感は良いです。

GRADOは装着感が悪いと言われることが多いですが、ちゃんと調整すれば割と良好な装着感を得られます。

まずは、ヘッドバンドを手で曲げます。高そうに見えませんが、高価なヘッドホンなので躊躇しますが、しっかりと手で曲げます。自分の頭の形と好みの側圧になるように曲げていきましょう。信じられないかもしれませんが、これは公式の調整方法です。GRADOらしいですね。
ヘッドバンドは特殊な鉄板をレザーで覆ったもので作られています。そのため比較的自由な形に折り曲げることができるので、自由な側圧と様々な頭の形に対応できます。装着感悪いと感じている人は思い切ってヘッドバンドを曲げましょう。
ペンチなどの工具を使ったりして極端に曲げたりしない限り元に戻るので、試してみてください。

次に評判の悪いのがイヤーパッドです。オンイヤータイプのイヤーパッドは問題ないです。
しかし、GRADOのヘッドホンで人気のあるセミアラウンドイヤータイプのヘッドホンに付属するドーナツ状のイヤーパッドは、ゴワゴワする、ヤスリみたいで耳が削られるなど評判が悪いです。
このイヤーパッドですが、中性洗剤で洗うとゴワゴワ感が結構マシになります。

多少音質が変わってしまいますが、中国のサードパーティから発売されているイヤーパッドに交換すると多少改善されます。
それでも気になるようなら、mimimamoのヘッドホンカバーを装着するとかなり良くなります。ただし、音質が結構変わりますので注意が必要です。

まとめ

まったく完璧なヘッドホンではありません。しかし、他にはない魅力があります。
創業の地でハンドメイドで、ほとんどすべてのヘッドホンを制作している非常に貴重なメーカーです。多くのメーカーがフラッグシップモデルのみを自社工場で生産している中で、これは非常に珍しいことです。
ただ自社工場で作っているからと言って、作りが良いわけではないので気をつけましょう。中国製のヘッドホンのほうが仕上げはキレイです。
テキトーな作りですが、音質はその見た目からは想像できない高音質です。
作りの悪さと価格の高さから購入をためらう人も多いと思います。
作りの悪さも気にならないほどの魅力的なサウンドなので、ぜひGRADOのヘッドホンを手にとってみてください。

キーボードの選び方

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